FPコンサルオフィス株式会社

人間が持つ将来不安に対するものの大きなものに「経済面」があり、これは誰しも普通に持っている人間心理です。
その人間心理につけこむように、詐欺や詐欺まがいなもの、そして不安商法というマーケティングが蔓延しています。
これら詐欺や詐欺まがいなものを含めての不安商法は、金融業界を筆頭に様々な業界が行っています。

この経済的な不安や不安商法への自分としてのしっかりとした意思を持った対策として、ライフプラン表・キャッシュフロー表を作成してみてはいかがでしょうか。
それによって、これからの家計収支、金融資産残高を把握することが可能になり、いまの我が家の家計・将来の我が家の家計が見える化でき、そのシミュレーションを使うことにより、自分で納得した考え・意志で、今後の家計計画を立てやすくなります。生存プラン、万一の場合のプランの両方を考えていく土台ができます。

残念ですが、そのようなシミュレーションをすすめる金融事業者は極めて少ないです。
それどころか、「机上の空論」を持ち出してそれをすすめない(事業者がそれをできない)理由にしていたりします。
机上の空論は、未来が分からないあらゆる分野に共通します。

働く日本人「少ない可処分所得をさらに金融商品へ」

以前、『老後のために貯蓄することが働く目的になる日本人』という内容を書きました。

確定拠出年金(iDeCo)、新NISAといった税制優遇制度を利用して、かなりの額を投入していくことを例にあげた話を多く見かけます。
少ない可処分所得をさらに金融商品へまわしていくのは、まるで現役世代が働く理由は「老後資金作りのためなのか」といった感じです。

気をつけないといけないのが、これらの金融商品にお金を使い、日常生活費や住宅関連資金などに影響を与えてしまい、資金ショートが起こってしまう可能性があるということです。

働き終わった日本人「金融資産を使うことをせず」

同じように、退職等をされた世代にも新NISAを利用して運用をし続けましょうという話を多く見かけます。
まるで金融業界と金融資産形成世代のために消費せずに投資性商品にお金を使うように啓蒙していっている感じです。

ネット関連、書籍等で発信される情報は、似たようなものばかりで、
「老後生活に入ったとしてもずっと資産運用しながら資産を取り崩していきましょう」
といった内容が中心のようです。
なぜ、この手の情報発信者はキャッシュフロー表を作成し、公的年金の収入状況、家計の支出状況を含めたシミュレーションをすすめないのでしょうか。
たとえると、
毎年の定期健康診断を受けずに、好きなように日常生活を続けることをすすめている医者のような感じではないでしょうか。

消費することを我慢して金融資産残高を眺める人生か

金融商品を買うということは、様々ある他の消費行動を我慢することになります。
金融商品にお金を入れたままということも同じです。

それを腹に落として、いま一度考えてみましょう。
その金融商品を購入する目的は?
その金融商品を保有している目的は?

人生の目的が、金融資産増加、金融資産残高の維持にならないようにしたいものです。
いまの日本政府の方向性は、それしか考えていないように思えますので、それが政府に近い”上級国民””上場企業役員””金融業界”らに伝播し、国民に蔓延していっているかもしれません。
気をつけましょう。