FPコンサルオフィス株式会社

ライフプランニングは「いつ」「いくら」の把握

私たちが不確実な人生の生活設計を送っていくにあたりライフプランニングが重要だと考えています。
ライフプランニングは、「いつ(自分が何歳のときに)」「いくら(資金)」が必要になってくるのかを把握できるようになります。
生活設計は、短期的なもの、長期的なものがありますが、まずはライフプラン・キャッシュフロー表を作成し『見える化』していくことです。

ピンとこない方は、まずイベントプランニングから考えてはいかがでしょうか。
例えば「結婚」「子育て(教育に関すること)」「住宅購入」など。
それらのイベントを考慮した資金計画を作成してみてください。
Excelで大丈夫ですので、「いつ」「いくら」をまとめていきましょう。

金融業界の「ライフプランニング」は言葉だけか

金融業界ではよく「あなたのライフプランの実現を」という言葉を使いますが、実際に金融事業者が顧客のために「ライフプランシミュレーション」を行っているケースは少ないと思います。
その理由のひとつとして、自社の商品を販売するにあたって、それほど精度のよくないソフトを使って行うことがめんどくさい作業(営業としての時間効率が悪くなる)となるからではないでしょうか。
精度という面について、FP協会や生命保険会社が作っているもの、ネットで様々なシミュレーションソフトがありますが、同じ条件を入力していっても出来上がりは異なるといったことはざらで、入力する項目もExcelレベルのものが多く、将来の家計をしっかりと把握していくには不向きなソフトが多数というのも事実です。

実際にシミュレーションを体験された方で、否定的な意見をお持ちの方は、
 「期待していたものと違った」
 「自分のケースでは全然シミュレーションできない」
そのような感想をされてしまった方も多いのではないでしょうか。
住宅購入前提でライフプランニングを行っても
 「繰上返済シミュレーションができない」(住宅ローンソフトのみは可能)
 「住宅ローン控除を適用したシミュレーションができない」
といったことはよくあります。
最近よく見かけるケースで、最も気をつけてほしいのは「積立投資をして●%で運用していくと、ローンの返済も大丈夫ですね」といったものです。
明らかに固定金利で複利計算をしていきますので誰でも”お金持ち”になるバラ色の結果がでます。

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ここに資本を投じない大手金融機関は「ライフプラン」ということを軽視しているといってもいいでしょう。
住宅関連資金、資産形成、生命保険、教育資金、老後資金等のお金にまつわることを引き受けることになる金融機関をはじめとする金融事業者は基本に立った顧客との向き合いを考えていかないといけないのではないかと思います。

生命保険会社のライフプランソフトを使う人たちに気をつけて

相変わらず、生命保険会社が提供しているライフプランソフトで住宅購入前のシミュレーションを行っている人たちがいます。
ご存知の通り、パソコンもスマホも投資信託の信託報酬も年々進化していっているのですが、残念なことに生命保険会社のそれは進化していっていません。
そうれは当然といえば当然です。
それがメインの仕事ではなく、サービスとしてのソフトですから。

そのようなソフトを住宅購入予定者に対して平気で使い続けている人たちは”進化”しているのでしょうか?
生命保険商品を販売するために、住宅購入前のシミュレーションを行っている意図は分かりますが、それはその方のためにはなりません。
住宅は誰にとっても大きな買い物であり、多くの方にとっては人生で最も大きな買い物であり、住宅ローンをはじめとする住宅関連資金は一生かかるものです。
しっかりとシミュレーションしてほしいところです。
それが私たちの仕事に対する信用にも繋がっていきますから。

皆さんは是非しっかりとキャッシュフロー表を作成していってください。
特に、住宅購入時やご結婚時に。
そして定期的にチェックし、シミュレーションし直していくことも忘れないで下さい。