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積立投資には標準偏差という概念がない

金融業界には、積立投資の将来結果について、誰でもいつでも「(毎年)3%~5%ほどの結果が見込める」という話を平気で行う人たちが驚くほどいます。
ここまでくると(2023年1月現在っていう意味)、長期積立投資って「●年超なら固定金利への複利積立になる」って言い換えればいいのではないかと思っています。

何が自己責任の原則でしょうか?
「投資は自己責任」っていうのなら、標準偏差の概念ぐらい説明しておくべきでしょう。
ファイナンシャル・リテラシーおよび倫理の問題です。
標準偏差を説明できない金融マンは意外と多いという印象です。(私調べ)
普通の思考力や人生・社会経験があれば、私が指摘しているような概念に気づくものですが、一定程度になるとファイナンシャル・インテリジェンスが不足し、そこを思考せずに、「金融機関が言っているから」「あの権威ある人が言っているから」「皆が同じように言っているから」といった理由で受け売りをしているといった結果でしょう。

リスクとは不確実性のことですが、金融業界における積立投資は”確実”かと思いこませる内容になっているものがほとんどです。

・パンフレットでよくあるドルコスト平均法による成功パターン
・セルサイドによるセミナーを含めたそれらに関する説明
・●%で●年複利運用したらこうなるという典型的な楽観論

これらから想定できるのは、”確実”という刷り込みです。そこには不確実性というものは感じられません。

毎月5万円の積立投資が100年後に16億円になる世界

これが成り立つと説明をしている金融業界。
これが成り立つのであれば、公的年金に対する将来不案の問題なんてありませんし、お金の心配をすることなんてないでしょう。
日本の債務問題なんて何も心配する必要はありません。
健康保険、介護保険などの社会保険の問題も一切心配ご無用でしょう。

しかし、そうでないという前提に立って、皆さんに投資をすすめていることが滑稽であり、ファイナンシャル・インテリジェンスの欠如につながっているのでしょう。
そう、投資に関する多くの説明は、単なるセールストークだということです。

日本で行われている投資(ほとんど積立投資)に関する話は、ネットワークビジネスのようなものです。
そのように解釈していただくと、見える景色が異なってくるのではないでしょうか。