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(出典)厚生労働省「令和6(2024)年財政検証関連資料①

平均標準報酬月額は43.9万円+加入年数40年

厚生労働省から7月3日、年金制度の財政検証(公的年金の健康診断だと言われています)の結果を公表されました。
財政検証は、年金財政の収支見通しを点検・検証するために5年に1度にペースで行われています。

所得代替率については、現役男性の平均手取り収入に対する夫と専業主婦というモデル世帯年金受給額(額面)において、2057年度の所得代替率は50・4%となるとのことです。(現在より2割減)

所得代替率=(夫婦2人の基礎年金+夫の厚生年金)/現役男子の平均手取り収入額

厚労省の資料(下図はすべて厚労省HPより)を見ていきたいと思います。

図の「〇~」にある3項目からは、現役世代から少しでも多く保険料を徴収することがテーマになっていると感じてしまいます。
賦課方式の給付と負担の関係だから仕方ないでしょうけど。

今回の財政検証の諸前提とは

【出生率】
2023年1.20(8年連続減少)の出生率が2070年には1.36になるという前提

【高成長実現ケース】
1980年4-6月期~1999年1-3月期(デフレ状況に入る前)の平均

【成長型経済移行・継続ケース】
1980年4-6月期~2020年4-6月期(過去40年)の平均

【過去30年投影ケース】
1994年1-3月期~2023年10-12月期(直近30年)の分布の上位80%点

【1人当たりゼロ成長ケース】
1994年1-3月期~2023年10-12月期(直近30年間)の最小値

経済の前提・・・社会保障審議会年金部会「年金財政における経済前提に関する専門委員会」で設定(2024年4月)

財政検証の結果は

2024年度の所得代替率は、61.2%です。
所得代替率=(夫婦2人の基礎年金+夫の厚生年金)/現役男子の平均手取り収入額

【高成長実現ケース、成長型経済移行・継続ケース、過去30年投影ケース】
所得代替率は50%以上を維持となっています。

【1人当たりゼロ成長ケース】
機械的に給付調整を続けると、国民年金は2059年度に積立金がなくなり完全に賦課方式に移行し、所得代替率は33~37%に低下していきます。

モデル世帯でイメージをすると次のようになります。
2060年度の現役世代の平均手取り月収は42万5千円。

それにしても莫大な資料、シミュレーションになっていますが、これにどれだけの費用がかかっているのでしょうか。