過去データを使って未来もそうなると思わせるシミュレーション
左図は金融庁の「つみたてNISAはやわかりBOOK」からのものです。
過去のデータを使ってプラスのリターンがでているというものです。
金融庁に次のことを質問してみたいです。
どのような場合にマイナスになるのでしょうか?
です。
金融庁は金融機関と同じ仕事をしてもいいのか。
金融庁の仕事は、不確実な投資に関する分野における金融業界のコンプライアンス徹底ではなく、とにかく日本人に投資をさせることのようです。w
常々、ここまで大ぴらに投資をすればリターンがでるかのように喧伝している金融庁は、個人ではなく、管轄している金融機関やGPIFにもっともっと投資をさせ、各種手数料を引いたあとのリターンを個人にもたらす商品提供の認可等をすればいいと思っています。
それこそ、金融庁をはじめ金融業界は借金してでも投資をしたほうが儲かると言っているに等しいです。セルサイドで反論ある人はいないでしょう。
同時に、住宅ローンではなく、投資ローン商品をつくるべきでしょう。そのローンが組めないのであれば・・・
NISA制度については、金融業界全体が小口の個人にコストをかけすぎています。
その意味するところは・・・
「将来の投資成果を保証するものではありません」
というガード文言(ディスクレーマー)をつけていれば大丈夫というのは違うと思います。
過去の実績を使って煽るよりも
不確実な投資はお金を減らしてしまうこともある
という基本的なことをしっかりと伝えるべきです。
それが行政の仕事だと思います。
日本の行政は安倍政権から露骨に変わりました。
弊社が行う確率シミュレーションこそ、金融庁の仕事だ
左図は弊社が常々お伝えしているリスクある資産への積立投資をした場合の確率分布です。
金融庁がやるべき仕事はこのようなことのはずです。
将来は不確実です。
金融ファイナンスは将来は予測不可能という立場に立って謙虚にならないといけません。
上図のような過去こうだったから将来もそのようになる可能性がありますと「思い込ませる」ことは法令違反疑義にあたると思います。
このようなシミュレーションができる金融事業者は日本にはほとんどありません。
皆さんはどう思われますか?
よく金融業界は「過去からずっと積立投資をしていたらこうなりました」というものを出しますが、そのような過去を繰り返すことに賛成できますか?
経済的に何があったか思いだせますか?
銀行、証券会社、保険会社、どれだけが経営困難に陥りました?
机上の空論は呆れてしまいますね。
自己責任と言っていればいいのか
私たちの人生はもちろんですが、不確実な投資の世界は、一回運の悪いことに巻き込まれてしまったことで、リスク許容度に変化が起こったり、おジャン(=とてもお金が減ってしまう)になってしまう可能性があります。
自己責任といってすまされないことであってもです。
そのようなことを伝えない今の金融業界、どちらかといえば、誰でもうまくいくという説明です。
まさにテラ銭をかすめ取る仕事だと言われます。
個人はプロスペクト理論などの行動経済学もしっかりと学んでいきましょう。