ドルコスト平均法投資は万能なのか?
例題です。
30年の積立投資において、投資対象の投資信託の基準価額が上図①~④の値動きをし、毎年年一回(年末時点の基準価額)のドルコスト平均法投資を行った場合、30年後にプラスになるのは、マイナスになるのはそれぞれどれでしょうか?
※基準価額は年末時点、かつそのときに購入する
※初回は基準価額1万円、最後は例題図の赤文字の基準価額。
30年間の毎年の基準価額は表示していませんが、動きを見て感覚的にお答えいただければと思います。
ドルコスト平均法を妄信し、その際の説明に使われる「複利運用」というものを知っていると思い込み(固定金利ではないので複利効果が正しい)、また過去10年ほどの世界の金融緩和相場を普通のことだと思っていると、例題の答えは
すべてプラス
になるのではないでしょうか。
それでは、答えを見ていきましょう。
例① 1年目、30年後の基準価額は1万円
例② 1年目の基準価額は1万円、30年後の基準価額は1万5千円
例③ 1年目、30年後の基準価額は1万円
例④ 1年目、30年後の基準価額は1万円
例①~④の値動きで30年後はすべてマイナスに!
いかがでしょうか。
例①~④のシミュレーションの場合、30年後はすべてマイナスになっています。
ここで気づいていただきたいのは、積立投資でよく言われる「長期・分散・積立」という標語は絶対ではなく、改めて投資というのは不確実だということです。