
金融商品というのは使い方です
金融商品は使い方が大切です。うまく使っていきましょう、という話をします。
多くの方はご存知だと思いますが、生命保険商品には貯蓄性のものがあります。
巷間、生命保険商品の貯蓄という分野において、それらを否定して自分が得意とする分野に誘導するポジション・トークが多いです。
否定する理由は様々かと思いますが、一番は「そんなにふえない(利率が低い)」というものでしょう。
面白いのが、生命保険を売っている者が同じようなことを言っていることです。
いまは日銀の金融政策により予定利率が低くなっていますが、未来永劫そのような状況が継続していくというのでしょうか?
保険業界歴の浅い者、保険商品を知らない者、金融商品を販売したことがないFP資格保有者に見られることですが、貯蓄性の保険分野(一般的には、終身保険や個人年金保険)は、保険料払込期間中や保険料払込終了後または払済保険変更後といった中で解約返戻金の動きが異なってくることを知らない人が多くいると感じます。
その動きには予定利率の影響が大きく関係してくることを。
どういうことかと言いますと、いま日本では金利が奪われている世界になってしまっていますが、金利が戻ってきた場合、預貯金金利はもちろん生命保険商品の予定利率も高くなっていくでしょう。
「大変だ大変だ!住宅ローン金利が上がるぞ」
といった声が聞こえてきますが、一般的に金利が高い時代は、ローン金利だけではなく預貯金金利や保険の予定利率も高くなっていくということです。
よくあるインフレ話は、常に物価やローン金利だけが上がり、賃金アップ率や貯蓄分野の金利はいまの永遠のゼロのままという無茶苦茶な論理で語られています。
それはインフレではなくスタグフレーション不況になっていきます。
普通に金利のある世界に戻った場合、貯蓄性のある保険商品であれば、やはり一時払系の商品が力を発揮する可能性があります。
そこに必要なのは、元金です。
投資の成果は元金による
積立投資をすすめる話は業界関係者や一般人、誰もが行っています。
一括投資をすすめる話はあまりないですね。
一括投資については選択肢が個別株や投資信託で下落による損失を回避するため、またそれをすすめた人が責められないようにするためでしょう。
そこに現在および将来の貯蓄性の保険商品選択はないのでしょう。金融商品でありますが・・・
業界関係者であれば、予定利率がまともになった貯蓄性の保険商品が十分使えるものであることを知り、それらのことを想定していくことも必要だと思います。
つまり、いまは無理して積立投資をせずともしっかりと貯蓄をしていくことで将来の”種銭”を準備していくで良いと思います。
積立投資で目を見張る効果が表れてくるのは元金が大きくなってきた場合です。
100万円の10%アップは10万円ですが、500万円の2%アップも10万円です。
分かっていそうで、実はそうでもないのではないでしょうか。
当然ですが、元金が大きいとリターンは大きいです。その逆もしかりです。
投資の成果というのは、それに投じる元金がどれだけ大きいかで変わってきます。
情報やセルサイドはお金を持っている人に集まる
語弊があるかもしれませんが、貯蓄残高(=入金力)のある人ない人がいたとして、あらゆる分野のセルサイドが寄っていくのはどちらの人だと思いますか?
セルサイドの中には詐欺師も含まれてきますが(気をつけて!)。
「積立投資をしていて証券口座に500万円ほどあります」という人と「銀行口座に1000万円ほどあります」という人がいて、金融のセルサイドが寄ってくるのはどちらの人だと思いますか?
良い話も悪い話もお金を持っている人に集まってきます。
投資なんて焦ってしなくても大丈夫です
投資をすすめる人たちは、「はやくはじめたほうがいい」「複利効果があるから」「時間を味方につけて」等々の誰もが一度は聞いたことがあるセールストークを使います。
投資の話なのに、固定金利の複利運用をするデタラメな話(金融リテラシー、倫理観に問題あり)ばかりです。
そのようなデタラメに耳を傾けるよりは、あなた自身が平穏に暮らし、チャンスを待つという姿勢で良いと思います。
その一つとして、金利のある世界になったときに
●個人向け国債
●貯蓄性の生命保険商品
そのような商品を使える時になるまで待っても良いと思います。
投資性保険商品(特定保険契約商品)について「複利!複利!」「ドルコスト!ドルコスト!」「インフレ~!インフレ~!」などと言ってセールスしている人たちは、そのあたりを真剣に考えているのでしょうか。
保険商品の予定利率は未来永劫あがらないのでしょうか?
あなたの周りにいるセルサイドに、過去数年~20年ほどのいろいろな貯蓄性生命保険商品(一時払、払済等々)にある解約返戻金の推移を見せてもらってください。
日本に金利は戻ってこないのでしょうか?
それは考えられません。
そうであれば、それまであなた自身がストレスのないやり方でしっかりと貯蓄を頑張っておきましょう。
預貯金でも積立投資でも保険でもなんでもいいですから。
金融商品は使い方です。