FPコンサルオフィス株式会社

過去の運用実績をいじって、「過去はこんなに良かった」と見せるが・・・

ご確認ください!!

過去のデータを合成させて作成しており、実際の資産の運用実績ではありません。 また、将来の市場予測やリターンを予測あるいは保証するものではありません。

といった断り文を入れ、あるポートフォリオ(株式●%、債券●%といった配分)において、
1970年頃から現在までの期間の約50年、毎月積立投資を「10年」「20年」と行った場合、最大値はいくら、最小値はいくら、中央値はいくらとしたシミュレーションを作成している某金融商品のパンフレットがありました。

20年の結果を見てみます。
最大値・・・投資元本の2.8倍
中央値・・・投資元本の1.7倍
最小値・・・投資元本の1.0倍

正直言いまして、この期間(1970年~2020年)を見ていくと、その時代その時代にあった貯蓄性の保険商品で足りたのではないかといった感じです。
ストレス含めて。(←これ重要ポイント)
結果について想像できるのが、20年結果の最大値~中央値の範囲にあるのは、ほとんど同じ期間(2020年~2000年)を含んでいるのではないかと思います。
念のため、統計を見るうえ上で、同じ期間が重複していても参考にはなりません。

過去のデータをいじくるのであれば、確率シミュレーションを示すべき

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)HPより
基本ポートフォリオで長期間運用した場合、財政検証で予定された積立金額(予定積立金額)を下回るリスクがどの程度あるのか検証しておくことが重要です。
そこで、基本ポートフォリオで運用した場合の積立金の将来の推移について、各資産の期待リターンや標準偏差、相関係数をもとに、乱数を用いた確率的な計算手法による100万回の数値シミュレーションを行い、その分布を調べるとともに、財政検証上の予定積立金(ケースⅢ)と比較しました。

いかがでしょうか。

>将来の推移について、各資産の期待リターンや標準偏差、相関係数をもとに、乱数を用いた確率的な計算手法による100万回の数値シミュレーションを行い、その分布を調べる

弊社で行っている確率シミュレーションのことを言っています。
これが普通ではないでしょうか。
期待リターンと標準偏差、相関係数があれば、有効フロンティアが分かり、さらに乱数試行確率シミュレーションが可能です。

過去のデータをいじくって、いかに良いパフォーマンスを演出したとしても、それらを元に「これからもいろいろあるでしょうが、長期投資を行えばこのような良い結果になるでしょう」と言って、リスク性金融商品を勧誘・販売をしてはいけないことになっています。
しかし、実際にこのようなデータをいじくった勧誘用パンフレットを作成していると、何万人もいるセールスの中には使ってはいけない話法を平気で使ってしまう人もいるのではないでしょうか。
だからこそ、コンプライアンス研修等で苦情発生事例がだされるわけです。
(顧客は実験台か)

すべてを販売者一個人に責任を負わせようとする金融機関(本社サイドの人間)の姿勢に問題があるのではないでしょうか。

スポーツジムへ行くのは将来をイメージするから

スポーツジムへ行ってトレーニングするのは、将来こうなりたいああなりたいとイメージするからではないでしょうか。

「あの有名人がこれをやってこうなった」
という本当のことかどうか、他に要因があったかどうか分からないようなものではなく、今の私の状態から、私にできることをやった場合に、こうなれるかもしれない、こうなりたいとイメージするからやるのではないでしょうか。
スポーツジムへ通い、誰もが同じような結果(体重がこうなる、ウエストがこうなる、体脂肪率がこうなる、筋肉がこうなる、柔軟性がこうなる、代謝がこうなる等々)になることなんてありませんよね。

つまり、人それぞれに合った将来のイメージシミュレーションです。