
(出典)家計調査報告家計収支編2023年(令和5年)平均結果の概要(総務省統計局)
無職世帯が年々増加しているのがいまの日本
上図から、日本は年々無職世帯が増加していっていることが分かります。
人手不足と言われますが、そのような状況やこの傾向を作ったのは、ずっと前からこの傾向を十分理解していた上で少子高齢化に無策だった日本政府です。
また、2017年頃から個人営業などの世帯が減少し、世帯主が60歳以上の勤労者世帯が増加している感じが見てとれます。
穿った見方にはなりますが、インボイス制度導入で個人事業主をつぶし、安く働く労働者にしようとしていることが想像できます。
これが日本政府の「策」のひとつなのでしょう。
高齢者雇用の話も、年金繰下げの話も
高齢者に働いてもらおうという話が盛んです。
「働けるうちは働こう」
「年金は繰下げでもらうと年金増だからそうしていきましょう」
「在職老齢年金制度を改定し、働くことにインセンティブを」
という話ですね。
これらは、明らかに上図に対する政策です。
政府は現状と将来見通しを正直に説明しないのでズルズルになってしまっていることに気づかないといけないと思います。
正直に説明をした上で、働くことがデメリットにならないようにするべきです。
今と近い将来しか見ていないので上図のようなことになってきたのです。

(出典)家計調査報告家計収支編2023年(令和5年)平均結果の概要(総務省統計局)
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律が、2021 年4月の改正により、 ①70 歳までの定年の引上げ ②定年制の廃止 ③70 歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入などのいずれかの措置を講ずる努力義務が課されています。
65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)

左の(表1)
二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の無職世帯の実収入を世帯主の年齢階級別にみると、65~69歳の世帯は296,122円、70~74歳の世帯は267,508円、75歳以上の世帯は239,727円となった。また、可処分所得をみると、65~69歳の世帯は253,273円、70~74歳の世帯は232,550円、75歳以上の世帯は209,882円となった。
消費支出をみると、65~69歳の世帯が293,903円と最も多く、年齢階級が上がるにつれて少なくなっている。
(出典)家計調査報告家計収支編2023年(令和5年)平均結果の概要(総務省統計局)


(出典)家計調査報告家計収支編2023年(令和5年)平均結果の概要(総務省統計局)
二人以上世帯の無職世帯の割合の増加傾向がはっきり出ていますが、財政健全を至上命題に掲げる日本政府がこれを是とすることは考えられません。
であるならば、あの手この手で有職者を増やそうとするのではないでしょうか。
その一つが「年金の繰下げをおすすめします」であり「確定拠出年金は75歳までになった」とかです。
それらを前提とした情報が専門家やテレビ、新聞を使って発信されていくものと考えられます。すでにそうなっています。
私たちは、高齢期に入った際、経済的な理由で渋々働くのではなく、その仕事(内容)で働きたい、働いていたいという人が積極的に働くということが大切だということをベースにしないといけないと思います。
大企業やそこで働く者、公務員のために自分を犠牲にしない
日本の仕事観・働き方は、大企業(上場企業)と公務員を頂点にした思考構造になっています。
そこをベースに考えると、「高齢者になっても働きましょう」という意味は、高齢者を安い賃金で働かせることで、これらの層が楽をしていくことができるように未来が作られていっていると考えみてはいかがでしょうか。
決してネガティブという意味ではなく、自分の人生を前向きに生きていくための思考としてです。
知っておくべき事実として怖いのは日本は「税金」「補助金」等で仕事・生活をしている人たちが非常に多いということです。
政治家、公務員をはじめ、年金生活者や生活保護者。
実は上場企業も余裕でその層になります。
特に、アベノミクスからはそれが顕著に表れています。
他方、上記に該当しないと考えられる中小零細企業やそこで働く人たちや個人事業主たちなどに対して、消費税という売上税が重くのしかかり、実質賃金マイナスが続く状況であってもほとんどフォローの風を吹かせないのがいまの日本政府であり、これからの日本政府です。
日本政府に軽視され続けている日本国民。
ある意味、使い捨てにされないように彼らの思惑通りに行動をしていかないようにしていくことが今の子供たちや若い人たちの将来にプラスとして繋がっていくことになると思っています。
私たちのライフプランは私たちが決めてつくっていきます。
つまり、自分の人生の主役は自分です。
自分の人生(大切な時間、健康)を犠牲にすることなく、足るを知りながら暮らしていくことを改めて考えてみてはいかがでしょうか。
足るを知るは富む